日時:9月22日(日) 16:30 ~17:30
場所:時事通信ホール
沖縄工芸フェアは毎年9月の3日間、銀座の時事通信ホールで開催されています。今年は9月21日(土)?23日(月祝)に開催。
沖縄の工芸である染織、壺屋焼、琉球漆器、三線などの作り手が集まり展示、販売、実演、産地講演会など沖縄の工芸品の魅力を伝えるイベントです。沖縄県と11の市町村が実行委員会を結成し主催しています。琉球王朝から続く沖縄の工芸品を一同に見ることができます。
特に染織については沖縄本島から与那国島まで13の地域からそれぞれ異なった織物の作り手が集まり実演も行われます。
沖縄は芭蕉布、紅型、花織、琉球絣、久米島紬、宮古上布など狭い地域に多種多様な染織があり、伝統を引き継ぎ、新しいものを取り入れながら素晴らしいものを作り続けています。
通常ではなかなか見ることができない沖縄の最高水準のものが集まります。
個人で行くと各作り手から詳しくお話を聞くのが難しいこともあり合同見学会として企画しました。
当日の参加者は少なかったものの、知花花織事業協同組合理事長神田さん、喜如嘉芭蕉布の伊藤茜さん、首里織の那覇伝統織物事業協同組合比嘉副理事長、宮古上布の宮古織物事業協同組合理事の神里さんに時間を取って話しを聞くことができました。
参加された方からは詳しく話しが聞けて良かったとの感想をいただいています。
来年も企画したいと思います。
アジア民族造形学会「衣の造形」部会担当 (相葉 康之)
参考:沖縄の染織と工芸について
◎沖縄の伝統工芸の特徴
古くから中国や東南アジアの影響を受け、沖縄は独自の文化を育くんできました。15世紀以降、琉球の王家のもと壮麗な文化が花開きます。染織に限らず、三線に代表される琉球舞踊や琉球音楽、陶芸など琉球王朝が発展させてきた歴史があり、本土文化とは異なった文化です。
◎沖縄の染織の特色
染織関係では今回沖縄県にある13の組合が参加しました。
狭いエリアに様々異なった多種多様な手法による織物があります。型染めである紅型(びんがた)、経絣、緯絣、花織(浮き織り)、自然布である芭蕉布、新しいウージ染めなど参加の組合もそれぞれ異なった手法で作っています。
狭いエリアに多種多様な技法による織物があるのは世界的に見ても珍しいと思っています。
琉球王朝が税を織物で納めさせていたこと、また薩摩藩の侵略と統治により人頭税が導入され、各地の民は米や粟などのかわりに布を納めさせられました。過酷な労働を強いられた一方で、これにより高い技術が培われてきた歴史があります。
第二次世界大戦で沖縄の染織は壊滅的な被害を受け多くのものを失います。戦後、多くの人たちの復興の努力により現在に至っています。知花花織のように百年の歳月を経て再興されたものもあります。
伝統を引き継ぎ、新しいものを取り入れながら現代に受け入れられる素晴らしいものを作り続けています。
◎工芸の島 沖縄(沖縄県商工労働部ものづくり振興課 作成資料)
沖縄県が作っているパンフレットが参考になるので紹介します。
下記をクリックしていただければPDFファイルが開きます。